ジェネリック医薬品とはGENERIC DRUG
効き目が同じなのに価格が安くなる薬ジェネリック医薬品について7つのQ&Aで
わかりやすく解説します。
Q1ジェネリック医薬品とは
患者さんが服用される医薬品は新薬(先発医薬品)とジェネリック医薬品に分かれます。
ジェネリック医薬品とは、先発医薬品の特許が切れたあと新たに製造販売される医薬品で、先発医薬品と効き目が同じ医薬品です。厚生労働省で認可を受けていることから安心して服用することができ、しかも開発費用がかからないことから安く服用することができるというメリットがあります。
※先発医薬品が新たに効果を追加した場合に、一部適応症に違いが生じることもございます。
患者さんが服用される薬には新薬(先発医薬品)とジェネリック医薬品があります。
Q2ジェネリック医薬品が求められる理由
ジェネリック医薬品は国の医療費削減の切り札として注目されています。現在国の医療費はおよそ40兆円であり毎年増加しています。少子高齢化が進むなか、医療費の増加は避けられないでしょう。国民医療費のうち2割は医薬品にかかる費用ですが、ジェネリック医薬品を普及させることによって医療費をかなり抑えることができます。当然、患者さんの自己負担も安く抑えられます。ジェネリック医薬品は患者さんのため、ひいては国のためにたいへん役立っているのです。
国の医療費削減や、患者さんの自己負担の軽減にお役にたちます。
Q3ジェネリック医薬品の価格はどれくらいなのか
ジェネリック医薬品の価格は先発医薬品の価格のおよそ40%です。医薬品の価格(薬価)は国によって決められるのですが、初めてジェネリック医薬品が販売されるときは先発医薬品の50%で薬価が決まります。それ以降は順次薬価が下がっていきますので、平均するとおよそ半額にまで下がるのです。
国の医療費削減や、患者さんの自己負担の軽減にお役にたちます。
Q4効き目は同じなのか?
ジェネリック医薬品は生物学的同等性試験を行って先発医薬品と効き目が同じかどうかを確認しております。完全に同じかどうかを確かめたあと、厚生労働省で認可を受けているので化学的に証明されています。
- (注)生物学的同等性試験とは
- ヒトに対して医薬品を投与し、先発医薬品とジェネリック医薬品の血中濃度を比較する試験。血中濃度推移が重なれば同じ効き目を有します。
生物学的同等性試験にて確認の後、厚生労働省で認可を受けています。
Q5どうしてジェネリック医薬品は価格が安いのか?
先発医薬品は200億円以上の開発費用がかかりますが、ジェネリック医薬品は数千万円の開発費用ですみます。
したがって、ジェネリック医薬品を安い価格で提供できるのです。
開発費用がかからない要因を開発プロセスの違いから見てみましょう。
開発から販売までのプロセス
上の図のとおり、ジェネリック医薬品は先発医薬品に比べて開発期間を大幅に短縮できます。それはすでに先発医薬品で安全性が確立されており、その上でジェネリック医薬品がつくられるため、先発医薬品ほどの臨床試験を必要としないためです。もちろん厚生労働省の審査を受けているので安全性は保障されています。このようにジェネリック医薬品は先発医薬品で長年蓄積された信頼の上に成り立っているといえるでしょう。
Q6国のジェネリック医薬品促進策
日本でのジェネリック医薬品のシェアは数量ベースで79.4%(※1)です。
近年、使用率は年々伸びており、ヨーロッパやアメリカの水準にまで高まってきました。
厚生労働省が定めていた2020年9月を期日とした後発医薬品80%目標にはわずかに届きませんでしたが、現在、新たに2023年末までに全都道府県で数量シェア80%以上という目標を設定し、引き続き、後発医薬品の使用促進のための施策が積極的に取り組まれています。
(※1 2020年度:日本ジェネリック製薬協会調べ)
ジェネリック医薬品数量シェア
1.品質再評価制度
同じ成分の医薬品が同じように溶けた場合、身体に同じように吸収され、同じ効き目が確保されるという考え方に基づいて、国は医薬品の溶出試験の規格を設定し公表しました。
これによって第三者がいつでも試験を行い、ジェネリック医薬品の品質を評価することができるようになりました。評価結果は日本版オレンジブックと呼ばれる医療用医薬品品質情報に公表されています。大勢の監視のもとにジェネリック医薬品が製造されるようになったので、さらに品質に安心がもてます。
2.処方せん様式の変更
医師が発行する処方せんの様式が変わり、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の薬剤ごとに変更可否を明示する欄ができました。
ここに記入がなければ薬局でジェネリック医薬品と先発医薬品を選べるようになりました。また、一般名処方が推薦され、後発医薬品を調剤しなかった場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその理由を記載しなければならないことが規定されました。
患者さんは今まで以上にジェネリック医薬品を求めやすくなります。
3.後発医薬品調剤体制加算
薬局でジェネリック医薬品を調剤した数量の割合が一定割合以上であれば、調剤料に段階的に一定点数がプラスされるようになりました。薬局でジェネリック医薬品の在庫負担が軽減されましたので、ジェネリック医薬品が処方されやすくなりました。
Q7ジェネリック医薬品はどこで手に入れるのか?
かかりつけの医師にジェネリック医薬品を処方してもらえるかご相談ください。また、処方せんに後発医薬品への変更不可欄にサインがなければ、薬剤師とのご相談の上、ジェネリック医薬品を選ぶことができます。
ぜひ、ジェネリック医薬品をご使用ください。